そのリフォーム、ちょっと待って!
不動産売却前のお風呂・キッチン部分リフォームで損をする理由
「古いお風呂を新しくしたら、家が高く売れるのでは?」
「キッチンだけでも交換して、少しでも印象を良くしたほうがいい?」
一戸建てやマンションを売却するとき、特に築年数が経過した住宅では、お風呂・キッチン・洗面所などの水回りを部分的にリフォームしてから売却するべきか悩まれる売主様が少なくありません。
確かに、きれいなキッチンや新しいユニットバスは、内覧時の印象を良くする可能性があります。
しかし、だからといって、売却前に自己判断で数十万円・数百万円をかけて水回りを交換することが、必ずしも「高く売る」ことにつながるわけではありません。
むしろ物件によっては、リフォーム費用を回収できず、売主様の手取りを減らしてしまう可能性があります。
この記事では、加古川市・高砂市・姫路市・播磨町・稲美町で不動産売却を検討されている方に向けて、売却前のお風呂・キッチンの部分リフォームについて、不動産売却の現場で考えるべきポイントを徹底解説します。
まず結論|売却前にお風呂・キッチンをリフォームするとは限りません
結論からいうと、家を売る前だからといって、必ず水回りをリフォームする必要はありません。
むしろ築年数が古い住宅の場合、
●リフォーム費用を売却価格に上乗せできない
●買主様の好みと合わない
●買主様が購入後にリノベーションする予定だった
●リフォームしたことで販売価格が高くなり、購入検討者が減る
●リフォーム費用を先に支払うため、売主様の資金負担が増える
といった問題が起こることがあります。
そのため重要なのは、
「リフォームするか、しないか」ではなく、「その物件ではリフォームすることが売主様の利益につながるのか」を判断することです。
売却前の水回りリフォームで損をする5つの理由
① リフォーム費用をそのまま売却価格に上乗せできない
例えば、お風呂とキッチンを交換するために合計200万円かかったとします。
「200万円使ったのだから、売却価格も200万円上げればいい」
と思うかもしれません。
しかし、不動産価格は単純に、
購入価格+リフォーム費用=売却価格
とはなりません。
不動産の売却価格は、周辺の成約事例、土地・建物の状態、築年数、立地、面積、住宅ローン市場、購入者層など、さまざまな要素によって決まります。
そのため、200万円かけたから200万円高く売れるとは限りません。
場合によっては、
「リフォーム前なら2,000万円で売れた」
「200万円かけてリフォームしたのに2,100万円でしか売れなかった」
ということも考えられます。
この場合、リフォームしなければ2,000万円だったところが、2,100万円になっただけです。
200万円のリフォーム費用をすべて回収できていません。
つまり、売却前のリフォームでは「いくらかけるか」よりも、「いくら売却価格に反映できるのか」を先に考えることが重要です。
② 買主様の好みと合わない可能性がある
キッチンやお風呂は、住宅設備の中でも特に買主様の好みが分かれる部分です。
例えばキッチンでも、
●対面キッチンがいい
●アイランドキッチンにしたい
●食洗機が欲しい
●収納を増やしたい
●白いキッチンがいい
●木目調がいい
●コンロはIHがいい
など、希望は人によって違います。
お風呂についても、
●浴槽の大きさ
●浴室乾燥機
●手すり
●アクセントパネル
●収納
●掃除のしやすさ
など、さまざまな希望があります。
売主様にとっては「きれいになったから価値が上がった」と思えても、買主様からすると、
「自分なら違う設備を選びたい」
ということがあります。
中古住宅を購入して、自分好みにリフォーム・リノベーションするという考え方もあります。国土交通省の資料でも、購入者が自分の好みに合わせて既存住宅をリフォームする販売形態が紹介されています。(国土交通省)
そのため、売主様が良かれと思って選んだ設備が、必ずしも買主様にとってプラスになるとは限りません。
③ 「リフォーム済み」だからこそ価格が高くなってしまう
中古住宅を探している買主様には、
「できるだけ安く購入して、自分たちでリフォームしたい」
という方もいます。
特に築年数が経過した戸建てやマンションでは、
「内装は全部変えたい」
「水回りも全部交換したい」
「間取りを変更したい」
「断熱性能を高めたい」
など、購入後のリノベーションを前提に物件を探しているケースがあります。
このような買主様にとっては、
部分的に新しくなった住宅より、リフォーム前提で価格を抑えた住宅のほうが魅力的
ということがあります。
つまり、
「きれいにすればするほど売れる」というわけではありません。
④ 部分リフォームだけでは「築年数」という問題は消えない
例えば築30年の住宅で、キッチンだけ新品にしたとします。
キッチンは新品でも、
●外壁
●屋根
●給排水管
●電気設備
●窓
●断熱性能
●床
●建具
●外構
などが古いままというケースがあります。
買主様はキッチンだけを見て購入するわけではありません。
住宅全体を見て、
「この家を購入したあと、あと何年安心して使えるのか」
を考えます。
そのため、キッチンだけ新品にしても、住宅全体の価値が同じ割合で上がるとは限りません。
⑤ リフォーム工事をしてから売却すると時間もかかる
リフォームには、
●業者選び
●現地調査
●見積もり
●設備選定
●契約
●工事
●完成確認
などの工程があります。
つまり、売却を決めてすぐに販売開始できるとは限りません。
「早く家を売りたい」
「住み替え資金を早く確保したい」
「相続した空き家を早く処分したい」
という売主様の場合、必要性の低いリフォームに時間を使うことが売却戦略として適切ではないケースもあります。
では、売却前のリフォームは全部NGなの?
いいえ。
ここが非常に重要です。
「リフォームは絶対にしないほうがいい」という意味ではありません。
物件によっては、適切なリフォームによって売却しやすくなる場合があります。
例えば、
●壊れていて生活に支障がある
●水漏れしている
●給湯器が故障している
●浴室やキッチンの著しい不具合がある
●安全面に問題がある
●内覧時の印象を大きく損なう状態になっている
などです。
このような場合は、単純な「見た目のリフォーム」とは別に考える必要があります。
重要なのは、
「売るために何を直す必要があるのか」
を整理することです。
売却前におすすめなのは「大規模リフォーム」より先に査定
家を売ることを考えたら、いきなりリフォーム会社に相談するのではなく、まず不動産会社に査定を依頼することをおすすめします。
その理由は、現在の住宅の状態を含めた市場価値を確認できるからです。
査定時には、
●現在の市場価格
●周辺の売却事例
●築年数
●建物の状態
●水回りの状態
●リフォームした場合の販売価格
●リフォームしない場合の販売価格
●想定される買主層
●売却までの期間
などを確認しましょう。
そして、
「200万円かけてリフォームしたら、実際にいくら売却価格が上がる可能性がありますか?」
と具体的に質問してください。
この質問に対して、根拠を示しながら説明してくれる不動産会社を選ぶことが大切です。
「現状のまま売る」という選択肢も検討する
築年数が古い住宅の場合、最初から「現状渡し」を前提として販売する方法もあります。
例えば、
「リフォームは買主様の自由にしていただく」
という考え方です。
売主様は大きなリフォーム費用を負担せず、買主様は自分の予算と好みに合わせてリフォームできます。
この方法なら、
売主様と買主様の双方にメリットが生まれる可能性があります。
もちろん、すべての物件に適しているわけではありません。
物件の状態や市場価格、立地、築年数、競合物件などを総合的に判断する必要があります。
契約不適合責任にも注意
「古い家だから現状渡しにすれば、売却後は一切責任がない」
と考えるのも危険です。
契約不適合責任については、売買契約でどのような内容を定めるか、物件の状態をどこまで説明・告知するかが重要です。
国土交通省も、改正民法において「瑕疵」から「契約の内容に適合しないもの」という考え方へ整理され、履行の追完や代金減額請求などが規定されたと説明しています。(国土交通省)
そのため、
「古いから全部免責」
と簡単に考えるのではなく、
●雨漏り
●シロアリ
●給排水管の不具合
●設備の故障
●過去の修繕履歴
●漏水履歴
●その他の不具合
など、把握している事項について適切に整理しておくことが大切です。
また、国土交通省では既存住宅売買瑕疵保険やリフォーム瑕疵保険などの制度も案内されています。(国土交通省)
契約条件については、物件ごとに宅地建物取引業者などへ確認しましょう。
加古川市・高砂市・姫路市で売却するなら「買主目線」が重要
加古川市、高砂市、姫路市、播磨町、稲美町で中古住宅を売却する場合も、
「自分だったらこのリフォームをしたい」
という売主様の感覚だけで判断するのはおすすめできません。
重要なのは、
「この住宅を購入する人は、どんな住宅を探しているのか?」
です。
例えば、
●リフォーム費用をかけずにそのまま住みたい人
●購入後に水回りを交換したい人
●全面リノベーションしたい人
●土地として検討する人
●価格重視で探している人
など、買主様によって求める条件は異なります。
だからこそ、売却前のリフォームは、物件ごとの販売戦略として判断する必要があります。
売却前にやるべきこと5つ
水回りリフォームを検討している売主様は、次の順番で考えてみてください。
●①まず不動産査定を受ける
●②現在の住宅の市場価値を確認する
●③水回りの状態を専門家に確認してもらう
●④リフォームした場合・しない場合の販売価格を比較する
●⑤最終的な手取り額で判断する
ここで大切なのは「売却価格」だけではありません。
売却価格-リフォーム費用-売却にかかる諸費用=最終的な手取り
という視点で考えることです。
例えば、リフォームによって売却価格が100万円上がっても、リフォーム費用が200万円なら、売主様の手取りは減ってしまいます。
だからこそ、
「高く売る」より「手元にいくら残るか」
を基準にすることが重要です。
まとめ|お風呂・キッチンを交換する前に不動産査定を
不動産を売却するとき、
「古いからリフォームしなければ売れない」
と決めつける必要はありません。
特にお風呂・キッチンなどの水回りは、リフォーム費用が大きくなりやすく、買主様の好みも分かれる部分です。
そのため、
売却前に自己判断でリフォームを始めるのではなく、まず不動産会社に相談することが、損をしない売却への第一歩です。
兵庫不動産株式会社では、加古川市を中心に、高砂市・姫路市・播磨町・稲美町などの不動産売却について、「リフォームしたほうがいいのか」「現状のまま売ったほうがいいのか」を物件ごとに考えます。
代表の柴田は、不動産業界歴28年、1,000件超の売買実績をもとに、売主様の立場から売却戦略をご提案しています。
「キッチンが古いけど、このまま売れる?」
「お風呂だけ交換したほうがいい?」
「リフォーム費用をかける価値はある?」
「できるだけ手取りを残したい」
そんな疑問がある方は、リフォームを契約する前に、まず不動産査定・売却相談をご利用ください。
リフォームすることが正解とは限りません。
リフォームしないことが正解とも限りません。
大切なのは、その物件にとって最も手取りを残しやすい売却方法を選ぶことです。
加古川市・高砂市・姫路市・播磨町・稲美町で不動産売却をお考えなら、ぜひ一度ご相談ください。
未来の幸せをあなたと。