【売主様の決断】
不動産売却で「指値・値引き交渉」が届いたら?
受けるべき・断るべき明確な判断基準
「柴田さん、購入希望者様が現れました!」
不動産を売却している売主様にとって、購入希望者が現れる瞬間は大きな一歩です。
ところが、その喜びと同時に、
「ただ……100万円の値引きをお願いしたいと言われています」
という話が出てくることがあります。
これが不動産売却における「指値(さしね)」や「値引き交渉」です。
「せっかく買いたい人が見つかったのだから応じたほうがいいのか?」
「でも、100万円も値引きするのはもったいない……」
「ここで断ったら、次の買主はいつ現れるのだろう?」
このように迷う売主様は少なくありません。
しかし、買主から指値が入ったからといって、必ず値引きに応じなければならないわけではありません。
反対に、状況によっては、多少の値引きを受け入れてでも契約を優先したほうが、結果的に売主様にとって有利になる場合もあります。
こんにちは。
兵庫不動産株式会社の柴田です。
私は、加古川市・高砂市・播磨町・稲美町・姫路市を中心に、不動産売却のお手伝いをして不動産業界歴28年・1,000件超の成約に携わってきました。
今回は、実際に売却現場で起こる「買主からの指値・値引き交渉」について、売主様が判断するときの具体的な基準をお話しします。
■そもそも「指値」とは?
不動産売却における指値とは、買主が売主に対して、
「売出価格よりも安い金額で購入したい」
と希望することです。
例えば、
● 売出価格3,000万円
● 買主からの購入希望価格2,900万円
● 指値100万円
というケースです。
この場合、売主様には大きく分けて、
● そのまま2,900万円で受ける
● 3,000万円で購入してもらえないか交渉する
● 2,950万円など中間の金額を提示する
● 今回は断って次の買主を待つ
という選択肢があります。
つまり、「指値が入った=100万円値引きして売る」ではありません。
ここを最初に理解しておくことが非常に重要です。
■指値が入ったら「すぐにYES」と言わない
売主様から、
「買いたいと言ってくれているなら、100万円くらいなら値引きしてもいいかな」
と相談されることがあります。
もちろん、それも一つの選択肢です。
しかし、私が最も大切だと考えているのは、
「なぜ、その買主はその金額を希望しているのか?」
を確認することです。
例えば、
● 周辺相場と比較して価格が高い
● リフォーム費用が必要
● 外構工事などに費用がかかる
● 住宅ローンの予算上限がある
● 単純に少しでも安く買いたい
など、指値の理由はさまざまです。
理由によって、売主様が取るべき対応も変わります。
■【受けるべきケース①】住宅ローンの事前審査が通っている
私が買主様から購入申込みを受けた際に確認する重要なポイントの一つが、住宅ローンの事前審査です。
例えば、
「3,000万円で買いたいけれど、住宅ローンが通るか分からない」
という買主様と、
「2,900万円なら購入したい。住宅ローンの事前審査も承認済み」
という買主様では、契約に進む確実性が違います。
もちろん、住宅ローンの事前審査承認だけで契約が確実になるわけではありません。
しかし、資金計画が具体的であることは、売主様にとって重要な判断材料になります。
そのため、100万円の指値であっても、契約条件や資金計画などを総合的に確認したうえで、
「この買主様と契約するメリットが大きい」
と判断できる場合には、値引きを検討する価値があります。
■【受けるべきケース②】売却期間が長くなり、問い合わせが減っている
不動産は、売り出したからといって必ず短期間で売れるわけではありません。
売出価格、物件の状態、立地、土地の形状、築年数、周辺環境、住宅ローン金利など、さまざまな要素によって売却期間は変わります。
そこで重要なのが、
「現在、この物件にどれだけ購入需要があるのか」
です。
売却活動を始めてしばらく経過し、
● 問い合わせが減ってきた
● 内覧件数が減った
● 購入検討者からの反応が弱い
● 同じ価格帯の競合物件が増えた
という状況なら、今回の購入申込みは非常に貴重です。
特に、売主様が、
「できるだけ早く売却したい」
と考えているのであれば、多少の価格調整によって契約を成立させることが合理的な場合もあります。
■【受けるべきケース③】価格以外の条件が売主様にとって有利
不動産売却では、売却価格だけを見て判断してはいけません。
例えば、
● 売主様の希望する引渡し時期に合わせてくれる
● 契約から決済までのスケジュールが組みやすい
● 不要な家具・荷物の処分について柔軟に対応できる
● 買主側の資金計画が明確
● 契約条件に大きな問題がない
などです。
仮に100万円値引きしたとしても、
売却後の負担や手間、仮住まい費用、片付け費用などを抑えられるのであれば、トータルでは売主様にメリットが残る可能性があります。
不動産売却は、
「いくらで売れたか」だけではなく、「最終的にいくら残るのか」
という視点が重要です。
■【断るべきケース①】売り出したばかりで問い合わせ・内覧が多い
逆に、売り出してから間もない時期で、
● 問い合わせが多い
● 内覧希望者が複数いる
● 購入検討者が複数いる
● 他にも購入を検討している人がいる
という状態なら、最初の購入申込みで慌てて大幅な値引きをする必要はありません。
例えば3,000万円で売り出した物件に対して、
「2,700万円なら今すぐ買います」
という指値が入ったとします。
しかし、売り出して間もなく、多くの反響があるのであれば、
「なぜ300万円も値引きしなければならないのか?」
を冷静に考える必要があります。
もちろん、市場価格から大きく乖離した売出価格であれば話は別です。
重要なのは、
「売主様の希望価格」ではなく、「市場から見てその価格が妥当なのか」
を確認することです。
■【断るべきケース②】相場を無視した大幅な値引き要求
指値なら何でも応じればよい、というものではありません。
例えば、
「理由は特にないけれど、とりあえず300万円下げてほしい」
というような要求です。
買主様にも購入予算がありますので、価格交渉そのものが悪いわけではありません。
しかし、売主様側にも当然ながら、
「その価格では売らない」
という権利があります。
周辺の成約事例や現在の売出状況などを確認したうえで、明らかに相場とかけ離れた指値であれば、無理に応じる必要はありません。
■「指値100万円=売主の損失100万円」とは限らない
ここは非常に重要です。
例えば、
3,000万円で売却できた場合
と、
2,900万円で売却できた場合
では、単純に考えれば100万円の差があります。
しかし実際の不動産売却では、
● 仲介手数料
● 抵当権抹消などの費用
● 測量費用
● 解体費用
● 残置物処分費用
● 引越し費用
● その他の売却関連費用
などが発生する場合があります。
また、売却に伴う税金についても、物件や所有期間、取得費などによって取り扱いが変わります。
そのため、
「売出価格-値引き額」だけで判断するのではなく、最終的に売主様の手元にいくら残るのかを考えることが大切です。
※売却に伴う税金については、税務署・税理士にご確認をお願いいたします。
■指値交渉で「営業マンに急かされる」必要はありません
私は、ここを売主様にぜひ覚えておいていただきたいと思っています。
購入申込みが入った瞬間、
「今日中に決めましょう」
「この買主を逃したら次はありません」
「100万円くらいなら値引きしたほうがいいです」
と急かされることがあるかもしれません。
しかし、売主様にとって不動産は、大切な資産です。
数十万円、100万円、200万円という金額を、その場の勢いだけで決める必要はありません。
なぜ指値が入ったのか。
相場はいくらなのか。
現在の問い合わせ状況はどうなのか。
他に購入希望者はいないのか。
買主様の資金計画はどうなのか。
引渡し条件はどうなのか。
これらを一つずつ確認してから判断すべきです。
■兵庫不動産株式会社は「売主様の利益」を最優先に考えます
私は不動産業界で28年間、営業・管理職として数多くの不動産売買に携わってきました。
そして現在は、兵庫不動産株式会社の代表として、売主様のご相談から売却活動、購入希望者との交渉まで直接対応しています。
当社には、営業マン個人の月間ノルマはありません。
だからこそ、
「今月の数字を作りたいから、この申込みで決めてしまおう」
という判断ではなく、
「この条件で売主様にとって本当に良いのか?」
という視点で判断します。
指値交渉が入った場合も、ただ買主側から伝えられた金額を売主様に伝えるだけではありません。
買主様側の事情や市場状況を確認し、
「本当にその金額まで下げる必要があるのか」
を考えます。
場合によっては、
「この価格では難しいですが、○万円までなら歩み寄れます」
というように、売主様と買主様の双方が納得できる着地点を探します。
■「指値を受ける・断る」は数字だけで決めない
不動産売却の値引き交渉には、万能な正解があるわけではありません。
「100万円なら受ける」
「200万円なら断る」
という単純な話でもありません。
重要なのは、
①現在の市場価格
②売却活動期間
③問い合わせ・内覧状況
④買主様の資金計画
⑤住宅ローン事前審査
⑥引渡し条件
⑦売主様がいつまでに売却したいのか
⑧売却後に手元へ残る金額
を総合的に判断することです。
■まとめ|不動産売却の「指値」は、焦って決めない
今回の記事のポイントをまとめます。
● 指値が入ったからといって、必ず値引きする必要はありません
● 買主がなぜ値引きを希望しているのかを確認する
● 住宅ローンの事前審査や資金計画を確認する
● 売却期間や問い合わせ・内覧状況を確認する
● 売出直後で反響が多い場合は、安易な値引きを避ける
● 相場を無視した大幅な指値には慎重に対応する
● 売却価格だけではなく、最終的な手取り額を考える
● 売主様の希望する引渡し条件なども含めて判断する
● 営業マンに急かされても、その場で慌てて決めない
そして何より大切なのは、
「その値引きに応じることが、本当に売主様にとって得なのか?」
という視点です。
■最後に|「100万円の指値、受けるべき?」と迷ったら柴田にご相談ください
不動産売却では、購入申込みが入った瞬間が、実は非常に重要です。
「3,000万円で売り出しているけれど、2,900万円の指値が入った」
このとき、
「100万円も下げるの?」
と考えるのか、
「100万円下げても、今この買主と契約するメリットがあるのか?」
と考えるのかで、判断は大きく変わります。
私は、売主様に無理な値引きをお願いするのではなく、28年の不動産経験と1,000件超の成約経験をもとに、一つひとつの条件を確認しながら判断することを大切にしています。
加古川市・高砂市・播磨町・稲美町・姫路市で、
「買主から指値が入ったけれど、受けるべきか分からない」
「他社から値引きを急かされている」
「いくらまでなら値引きしても損をしないのか知りたい」
という売主様は、ぜひ一度ご相談ください。
営業ノルマなし。支店長経験者の柴田が直接対応します。
大切な不動産だからこそ、焦って決めるのではなく、売主様にとって本当に納得できる売却条件を一緒に考えます。
未来の幸せをあなたと。
兵庫不動産株式会社
代表 柴田 佳昌