【認知症と不動産】
親の介護費用を作るために実家を売りたいけれど、
名義変更は必要なの?
「親が老人ホームに入ることになったので、介護費用を作るために実家を売りたい」
「実家の名義は親のままだけど、子どもが代わりに売却手続きを進められるの?」
「認知症になる前に、何を準備しておけばいい?」
このようなご相談は、加古川市・高砂市・播磨町・稲美町・姫路市などでも少なくありません。
こんにちは。
兵庫不動産株式会社の柴田です。
私は不動産業界歴28年、1,000件を超える不動産取引に携わってきました。
長年、不動産売却のお手伝いをしていると、親御様の高齢化や介護、老人ホームへの入所をきっかけに、「実家をどうするか」という問題に直面するご家族からご相談をいただくことがあります。
特に重要なのが、
「親名義の実家を、子どもが売却できるのか?」
という問題です。
結論からいうと、親御様の名義だからといって、必ず子どもへ名義変更する必要があるわけではありません。
むしろ、売却のためだけに親から子へ不動産の名義を移す場合は、税金や登記など別の問題が発生する可能性があります。
大切なのは、名義を変えることよりも、親御様本人の意思と判断能力、そして適切な手続きを確認することです。
●親名義の実家を売るために、子どもへ名義変更する必要はある?
まず知っておきたいのが、「親名義だから子ども名義に変更してから売却する」という考え方は、必ずしも必要ではないということです。
親御様が所有者であり、売却する意思をしっかり持っているのであれば、親御様が売主となって売却を進める方法があります。
子どもができることは、
●不動産会社との打ち合わせ
●査定依頼
●必要書類の準備
●売却活動のサポート
●司法書士など専門家との連絡
●買主との日程調整
など、さまざまです。
ただし、子どもが親に代わって何でも自由に契約できるという意味ではありません。
不動産の売買は大きな財産の処分です。
そのため、誰が所有者なのか、親御様に売却する意思があるのか、代理権があるのかなどを確認しながら進める必要があります。
●「とりあえず子どもの名義に変更」は慎重に
「親が高齢だから、売却しやすいように子どもの名義に変えておこう」
そう考える方もいらっしゃいます。
しかし、無償で親の土地や建物を子どもの名義へ変更した場合、原則として贈与によって取得したものとされ、贈与税の問題が生じる可能性があります。
不動産は預貯金と違って、数百万円、数千万円という評価額になることもあります。
そのため、
「名義だけ変更すれば簡単」
とは考えず、税理士や司法書士などの専門家へ確認することが大切です。
さらに、実家を売却した場合に利用できる可能性がある「マイホームを売ったときの3,000万円の特別控除」についても、誰が所有者なのか、誰が居住していたのか、いつ売却するのかなど、さまざまな要件があります。
「名義を変えれば売りやすくなる」と単純に考えるのではなく、売却前に税金まで含めて確認することが重要です。
●一番大切なのは「親御様本人の意思」
実家売却で最も注意したいのが、親御様の意思能力の問題です。
例えば、
「親は老人ホームに入るけれど、まだ会話もしっかりできている」
「実家を売って、そのお金を老人ホームの費用や生活費に充てたいと本人が考えている」
という場合と、
「すでに認知症が進行していて、売却について本人が判断できない」
という場合では、手続きが大きく変わる可能性があります。
だからこそ、私はご家族から、
「まだ元気だから大丈夫」
と言われた場合でも、将来のことを考えて早めに相談していただくことをおすすめしています。
●認知症が進んでからでは、不動産売却が難しくなることがある
不動産売却では、所有者本人の意思確認が非常に重要です。
もし親御様の判断能力が低下し、自分で売却について判断することが難しい状態になってしまうと、子どもだからという理由だけで自由に親名義の不動産を売却できるわけではありません。
その場合、状況によっては成年後見制度などの利用を検討する必要があります。
特に成年後見人等が本人に代わって居住用不動産を売却する場合には、家庭裁判所の許可が必要となるケースがあります。
裁判所の案内では、現在住んでいる家だけでなく、本人が以前住んでいた家や、施設入所などによって現在は住んでいない家についても、居住用不動産の処分に該当する場合があります。
そして、家庭裁判所の許可を得ずに処分した場合、その処分が無効となることがあります。
つまり、
「認知症になってから考えればいい」
ではなく、
「まだ本人がしっかり判断できる段階で、家族で今後について話しておく」
ことが非常に重要なのです。
●介護費用のために実家を売ることはできる?
もちろん、親御様の生活や介護費用のために、所有する不動産を売却するという選択肢はあります。
実際に、
●老人ホームの入居費用
●毎月の施設利用料
●医療・介護関連費用
●今後の生活費
●空き家になった実家の維持管理費
などを考え、実家の売却を検討されるご家族は少なくありません。
重要なのは、売却価格だけを見るのではなく、売却後に手元に残る金額まで考えることです。
不動産を売却すると、仲介手数料、登記関連費用、測量費、解体費などが必要になる場合があります。
また、譲渡所得が発生する場合には、所得税・住民税などの税金についても確認が必要です。
したがって、
「いくらで売れるか」だけではなく、「最終的にいくら残るのか」
まで考えて資金計画を立てることが大切です。
●3,000万円特別控除も「使えるかどうか」を事前確認
マイホームを売却した場合、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。
ただし、これは「実家を売れば誰でも3,000万円控除を受けられる」という制度ではありません。
例えば、
●誰が所有しているのか
●誰が住んでいたのか
●いつ売却するのか
●住まなくなってからどのくらい経過しているのか
●過去に他の特例を利用していないか
など、さまざまな要件があります。
そのため、売却前に税務署や税理士へ確認することが重要です。
不動産会社だけで税金の最終判断をするのではなく、必要に応じて専門家と連携しながら進めることが、ご家族の安心につながります。
●親が施設に入った後でも、実家売却を検討できる?
「親が老人ホームに入ったので、もう実家には住んでいません」
というケースもあります。
しかし、施設に入ったからといって、すぐに何でも売却できるとは限りません。
親御様の意思能力や所有関係、売却の時期、税務上の要件などを確認する必要があります。
また、空き家になった実家をそのまま放置すると、
●庭木の管理
●郵便物の管理
●不法侵入
●雨漏り
●害虫・害獣
●近隣からの苦情
●固定資産税などの維持費
といった問題が発生する可能性もあります。
老人ホームへの入居をきっかけに、「実家を残すのか、売るのか、誰が管理するのか」を家族で話し合っておくことが大切です。
●実家売却は「家族全員が納得できる進め方」が大切
親御様の実家は、単なる不動産ではありません。
子どもの頃に過ごした家。
家族で食事をした場所。
親御様が長年暮らしてきた思い出の家。
だからこそ、
「早く売りましょう」
だけでは、ご家族の気持ちはついてきません。
私は、実家売却のご相談では、まずご家族のお話を聞くことを大切にしています。
「すぐに売りたい」のか。
「半年後でもいい」のか。
「老人ホームの費用が必要になったときに売りたい」のか。
「まだ売ると決めていないけれど、価格だけ知りたい」のか。
ご家族によって事情はまったく違います。
●兵庫不動産株式会社は営業ノルマなし。柴田が直接対応します
私、柴田は不動産業界歴28年・1,000件超の取引経験があります。
これまで営業、管理職、支店長として、多くのお客様の不動産売却や購入に携わってきました。
現在は、営業ノルマを設けず、私自身が最初から最後まで直接対応することを大切にしています。
親御様の介護や認知症、老人ホームへの入居、家族間の財産の話は、とてもデリケートな問題です。
だからこそ、
「売ってください」ではなく、「まず状況を聞かせてください」
という姿勢でご相談をお受けしています。
必要に応じて、司法書士や税理士などの専門家への確認も行いながら、無理のない売却方法を一緒に考えます。
●こんなご相談でも大丈夫です
●親名義の実家を子どもが売れるのか知りたい
●親が老人ホームに入るので実家をどうするか迷っている
●介護費用のために実家を売りたい
●認知症になる前に準備しておきたい
●まだ売るつもりはないが査定額だけ知りたい
●親から子への名義変更を考えている
●贈与税が心配
●実家を売った場合に手元にいくら残るか知りたい
●空き家になった実家の管理に困っている
●兄弟で実家をどうするか話し合っている
●成年後見制度が必要なのか分からない
こうした段階でも、ぜひご相談ください。
●「売るかどうか」を決める前に査定するという選択肢
実家を売却するかどうかを判断するためには、まず現在の不動産価格を知ることも大切です。
例えば、
「実家が2,000万円で売れるのか、3,000万円なのか分からない」
という状態では、老人ホームの費用をどのように準備するのかも計画しにくくなります。
査定をしたからといって、必ず売却しなければならないわけではありません。
「今の価値を知っておく」
だけでも、これからの家族会議に役立ちます。
●まとめ|認知症と実家売却は「名義変更」より「早めの準備」
親御様の介護費用を作るために実家を売却する場合、最初から子どもへ名義変更する必要があるとは限りません。
むしろ、名義変更には贈与税などの問題が発生する可能性があるため、安易に進めるのではなく、専門家へ確認することが大切です。
そして何より重要なのが、
親御様本人が元気で判断できるうちに、家族で実家の今後について話しておくことです。
認知症が進行して判断能力が低下した場合には、成年後見制度などの手続きが必要になる可能性があります。
実家は「いつか考えよう」と先延ばしにするほど、家族にとって難しい問題になることがあります。
だからこそ、
「まだ売らないけれど、査定だけしておく」
「親と一緒に今後のことを相談しておく」
という準備から始めてみてはいかがでしょうか。
私は、兵庫不動産株式会社の柴田として、加古川市・高砂市・播磨町・稲美町・姫路市を中心に、親御様の実家売却、空き家売却、相続売却などのご相談を承っています。
「こんな状態でも相談していいのかな?」という段階でも大丈夫です。
大切なのは、焦って売ることではありません。
ご家族にとって納得できる方法を、一つずつ整理すること。
それが、親御様のこれからの安心と、ご家族の将来を守る不動産売却につながると私は考えています。
未来の幸せをあなたと。
兵庫不動産株式会社
柴田 佳昌